2019年01月16日

2019年初絵解き

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ワークショップ「絵解きで顕わす伊豆・富士山の世界」
年明け早々(1月13日)「マンダラ絵解き」のワークショップが開催されましたのでご報告いたします。

場所は神奈川県立 金沢文庫
この期間(2018/11/16〜2019/1/14)、金沢文庫では"特別展「顕われた神々―中世の霊場と唱導(しょうどう)―」"が開催されておりましたが、その関連講座として、伊豆と富士山にまつわる絵マンダラのワークショップが行われることになりました。

今回、お2人の先生方が絵解きをされました。
・伊豆マンダラの絵解き
阿部美香(昭和女子大学講師、名古屋大学人類文化遺産テクスト学研究センター研究員)
・富士参詣曼荼羅の絵解き
大高康正(富士山世界遺産センター研究員・准教授)

美香先生による伊豆マンダラと絵解きは、昨年12月にもご披露していただきましたね。
しかし今回は、少し時間が多くあったことで、更に詳しく聞くことができました。
お話は、日本の最初の仏様と言われている、善行寺如来に始まります。
聞きながら改めて強く感じたことは、そもそも仏とは神の使いでもあり、神仏は共にあったのだということです。ところが、いつの頃からか、(日本では)神と仏を別物のように分離させ、何だかまるで仲が悪いかのように扱われるようになってしまいました。けれどこうして研究者のお話を聞くと、そうではなかったことが分かります。私達が誤解していることがいかに多いかということでもあり、このように学ぶ機会が大切なのを実感します。
もちろんパリスィオンさんの描かれた伊豆マンダラには、神様も仏様もちゃんと描かれておりますよ。
そして、伊豆(いづ・いず)の成り立ちや名前の由来など、目からウロコのお話が次から次へと続きます。

美香先生いわく、「何時間あっても足りないくらい、お話ししたいことがたくさんあるんです」
私のような歴史にも神仏にも疎い者でも、ワクワクしてしまうのは、長年研究された美香先生のお話が、より真実を語ってくれているからなのでしょう。人は誰でも、偽物の話は退屈しても、真実の話しは興味津々になるに違いありません。
そしてこうして、マンダラ絵解きが世に発信されることによって、人々は真実に近づくことができます。ひいては神と仏の合一も、改めて成されるのではないかしら、などと、そんなウキウキするような想像もふくらみました。

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もうひとつのお話は、富士山の参詣曼荼羅です。
お話して下さった大高康正先生は、静岡県富士山世界遺産センターの研究員で、歴史学を専攻されております。

参詣曼荼羅とは、「参詣者の勧誘と霊場案内を目的として、その霊場を描いた宗教的絵画を指す学術用語」なのだそうです。つまり、その呼び名はいろいろあるのだけれど、要するに霊場を参詣する際の案内図なのだと、大高先生はお話します。
富士山の参詣曼荼羅は、古くからいくつか描かれているということですが、今回はこちらの絵曼荼羅でご説明くださいました。
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(16世紀始め頃、狩野元信印)

参詣曼荼羅の特徴は、ところどころに霞がひかれていることで、これは要所要所の場所を分けて描き、分かり易くするためだそうです。
この絵曼荼羅には、参詣する人々や地元の人々の姿がとても克明に描かれているのですが、その人数は合わせて237人だそうです。(誰かが数えたのですね!)
どんな筆を使って描いたのだろう?虫眼鏡も無かっただろうに…と、その絵のあまりの細かさに驚いてしまいました。

富士山は、やはり古代から、霊場として人々の信仰の対象となっており、皆、白装束に身を包み、身の危険をも覚悟の上で登っていたのだそうです。そして富士山に参詣するとあれば、仕事を放り出したところで家族も村人も、喜んで送り出したのだと、そんな雑談もしてくださいました。
大高先生のお話も、深い内容がまだまだたくさんありそうです。

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会場には、50席の椅子が設けられておりましたが、満席です。
やはりご年配の方々が多めではありますが、皆さんとても熱心に聞いておられました。
こうした形のワークショップは、金沢文庫では初めての試みなのだそうですが、「参加して下さった方々がとても喜んでいました!」と、事務局の担当者。また、近日発動する原口工房において発売予定の絵ハガキを、こちらで先行販売したところ、なかなかの売れ行きでした。

そういうわけで、主催者も聴講者も、すべての参加者が、みなさん大満足で大成功となりました。
年初から満員御礼で始まった絵マンダラ絵解きは、これから益々勢いを増していきそうです。
今後の活躍に、こうご期待ください!


(文/編集部)
posted by yamanoshiroiie at 07:00| 光の活動/スィオニを探せ!