2018年12月21日

SALAM〜田んぼの中の学校

Sanggar Anak Alam -koko.jpg

11月、メリオンさんと由紀子さん、そして編集部の市川が、インドネシアの学校見学に行ってまいりました。インドネシアの旅(2)
そして、ジョクジャカルタで素晴らしい学校に出会うことができました。
驚くことにこの学校、まるで『トゥファラ』に描かれているような学校なのです。
とはいえ、インドネシア、ジョクジャカルタの小さな田舎町にある小さな小さな学校です。見た目も古くて、けして立派とはいいがたく、遠くから眺めたら、小屋のような学校です。
けれどメリオンさんは、「この空間から、四方八方に美しい光が放たれていたのよ」と、おっしゃっておりました。

日本はもちろんのこと、世界中の学校モデルになり得る、この美しい学校について
現在の時点で調べたことを、ここに改めてご紹介しておきたいと思います。

学校の公式ホームページ
Sanggar Anak ALAM(SALAM)

学校の名称は、Sanggar Anak Alam(SALAM)です。
Sanggar=スタジオ、Anak=子ども、Alam=自然、という意味なので、「自然な子どものスタジオ」と直訳できるのだと思います。
通称は「SALAM」=サラムと呼んでいるようです。

YouTubeで動画も時々配信しているようです。
Salam Yogyakarta


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SEKOLAH BIASA SAJA
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メリオンさんが「光の塔」をプレゼントしたのですが、同時にSALAMについて書かれた本をオーナーさんがプレゼントして下さいました。私(市川)はそれを、とりあえずお預かりしたわけですが、つい、(モノノはずみで?)「はい、必ず読みます!」などと、口に出してしまったものですから…何としても読まねばならぬ、ということに…がく〜(落胆した顔)
本の言語はインドネシア語です。誰かの助けを得られないのだとすれば、Googleさんの助けを得るしか方法がないのですが、当初は、全ての文章を入力して訳していかなければならないのだと思い、すると読み終わるのに何日かかるのだろうか?と、途方に暮れていました。ところが、始めて気づいたのですが、何と、写真撮影すると全体を読み取って文字に変換してくれるという新機能が、いつからか付いていたようです。これなら、ものすごい時間短縮ができそうです。

…ということで、何とか、翻訳し終わった次第です。
しかし、やはり機械翻訳。誤訳、誤字に加え、私の解釈ミスなど、欠落した部分が多々あるのも否めません。それでも、SALAMの人々や、オーナーたちの思いと、学校の概略については、最低限、理解できたのではなかろうかと思います。

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本を読み終えて…

著者は、ジョクジャカルタでお会いしたオーナー、Sri Wahyaningshiさんのご主人で、Toto Rahardjo氏。お2人のご夫婦が、この学校SALAMの創設者です。
Rahardjo氏とマダムWahyaは、若い頃から、インドネシアの教育改革に強い関心を持たれていたようで、さまざまな教育を勉強されたり教育活動にも参加していたようです。
本には、インドネシアの教育の歴史が詳しく書かれていますが、Rahardjo氏の思想や哲学、教育に対する熱い思いが、ヒシヒシと伝わってきます。

SALAMは、2000年に研究ベースで最初のクラスが始まったということですが、それよりずっと以前の1988年には、既に研究グループが発足していたということで、実はこれがSALAM胚なのだとも書かれています。
やはり、こんな素晴らしい学校は、一夜にしてできたわけではなかったのですね。

2000年〜
2004年・・・10代のメンタリングクラスを毎晩開催
2006年・・・幼稚園の設立
2008年・・・小学校の設立
2011年・・・中学校の設立
2017年・・・高等学校を実験的に設立(生徒の両親たちからの強い要請により)
今に至る

SALAMには、「国語」「算数」などの科目が一切ありません。
すると、「一体どのように授業を進めるのですか?」と誰もが疑問に思うでしょう。
SALAMの学び方は、そのほとんどが研究課題に取り組む形で行われるのです。
たとえば、ヘアケアについて興味を持った生徒がいるとします。すると彼女は、1学期の間、髪の毛のケアの仕方について調査し、インタビューし、実験を行います。その一連の計画や活動には、ファシリテーター(支援サポーター)と両親が協力します。そしてレポートを仕上げ、最後にプレゼンテーションを行います。
この流れを、SALAMでは「学習プロセス」と言い、その中で起こることや体験することの中に、「国語」「社会」「数学」「物理」など、多くの学科を学ぶことになると考えているのです。
もちろん教科書などはありませんので、生徒全員が決まりきった同じ内容を学ぶということは一切ありません。SALAMでは、その生徒がその時、実質的に必要としていないことを学んだとしても意味はなく、忘れるだけだと考えているのです。それよりもっと大切なことは、学習プロセス、つまり学習の仕方を学ぶべきだというのです。
学習の仕方を学んで身につけてさえいれば、成長し、大人になり、この先社会に出て、何かの勉強をしたいと思ったときにも、新しい職業に就きたいと思った時にも、あらゆる場面でそれを応用することが出来るからです。ですからSALAMでは、この学習プロセスを徹底して身につけさせようと考えているのです。
本の中に紹介されている学習例を読んでいると、SALAMの生徒たちは、どの子もがみんなが研究者なのだということがよく分ります。

また、SALAMでは、独自にSALAM通貨を作っていて、毎月マーケット(市場)を開催しています。ここで、売る人、買う人、銀行、警備員など、さまざまな役割になることで、社会に出たときに経験する、実際の暮らし方、生き方、お金の正しい流通の仕方を学ばせようとしています。
つまり、SALAMでは、全てが実践と体験であり、そうすることでしか、人間は真に学べないのだと考えているのです。

また、SALAMでは、大学を卒業し教員免許を持つ、一般的に「教師」と呼ばれる人はいません。SALAMには、そうした教えることしか知らない大人は必要ないのだそうです。SALAMに必要な大人は、生徒と一緒に学ぶ人であり、そういう人たちのことをファシリテーター(活動支援者)と呼んでいます。

さてすると、では、「SALAMはインドネシアの国に正式に認められている学校なのだろうか?」「SALAMの生徒たちは、一般の上級学校(高校や大学)には進学できるのだろうか?」という疑問も生まれてきます。

SALAMは、ホームスクールという形式をとっています。
インドネシアでは、ホームスクール形式(代替学校)が子どもたちの学ぶ道として認められています。(*日本の場合は認めるとも認めないとも示されていないようです。つまり認めていないとも受け取れるが、違法というわけでもないという、非常に曖昧な立場に立たされます。)
ただし、インドネシアの場合も、こうした代替学校は正式な学校ではなく、国立教育事務所というところの管轄下にあるのだそうです。そのため、たとえば一般の上級学校、高等学校や、あるいは大学へ入学したいとなれば、政府の均等化テストを受けなければなりません。(これは日本と同じですね)
そういうわけで、小学校6年生、中学校3年生、高等学校3年生に限っては、試験のための"研究"をするのだそうです。
あくまでも"研究"という言葉を使っているのが面白いですが、生徒たちに、試験勉強によって悪影響を受けてほしくないというのがあるのだと思います。
もちろんSALAMの生徒たちは、これらの試験をちゃんとパスしてきています。

または、SALAMの勉強法が、全ての子どもたちに向いているわけではないのだ、ともあります。既存の、競争を主体にした勉強法の方が好きな子どもたちもいるのだそうで、そのような子の場合は、一般の学校へ通った方が幸せなのだと、著者はいいます。

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以上は、本の中の、ほんの一部の要点です。
本を読んで感じ取れる、オーナ夫妻の熱い思い、というところまでは、ここでうまくお伝え出来ないのがとても残念です。

とにかく私は、読みながら、何度も何度も、深く共鳴し、感心し、天を仰いではため息が出るのでした。
それほど良い学校だと感じたからなのですが、何よりも思ったのは、オーナー夫婦の考えている教育というのが、実にシンプルだということなのです。本の中に、「私は本質だけを見ているのです」というような記述があるのですが、SALAMは、流行りの勉強法やら、どこぞの誰かが開発した記憶法やら、そうした目新しいもの(他の代替学校にはよくあるとのこと…)など、全くないのです。
ただただ、生徒と大人たちが、共に日常の出来事を体験するという、そしてその中で、より正しい視点、より正しい考え方、より良い人格を、育てていこうとするものなのです。
ですから、SALAMでは、それほど難しいことは、何もしていないのです。

だから私は、つくづく考えてしまったのです。
「どうして人間は、こんな簡単なことを、いままでやれなかったのだろうか?」
そして、
「どうしてSALAMは、それを実現させることができたのだろうか?」

そう、何度も、問いかけたくなるのでした。

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※翻訳した内容をレポートとしてPDFにしてあります。必要な方には後日配布する予定です。




(文/編集部)
posted by yamanoshiroiie at 18:22| 光の活動/スィオニを探せ!